2024/04/30(火) 「光る君へ」の面白さをなんと伝えれば 

いまさらですけれど、
今年の大河ドラマ「光る君へ」がすごい楽しみ。

去年一昨年の大河ドラマが面白かったので、
今年はどうだろう?と初回だけ観てみるつもりが、
初回で度肝を抜かれまして…これを観るために一年生きられると思いました。
ほんとほんと。

「光る君へ」は、平安時代に「源氏物語」を書いた紫式部本人の物語です。
そして紫式部と藤原道長がソウルメイトという設定。
なので光源氏そのものが出演するわけではなりません。

NHKは大河ドラマの視聴者に対して手厚くて、
NHK、Eテレともに、歴史検証番組やらバラエティーやらでどんどん源氏物語が描かれた背景や、平安時代そのものについても取り上げてくれるのです。
おかげで全然平安時代に興味なんて持ってなかったわたしも、その時代にだんだん馴染んできました。
ほんとNHKこういうとこすごい。
気がついたらこれでもか!というくらいに関連番組やってるもん。

さらには自分自身でもなつかしの漫画「あさきゆめみし」を電子書籍で購入したり、
ドラマの解説本に、別の雑誌でも源氏物語を取り上げていたり…
読みきれないのについ読みたくなっちゃう。

で、熱くなっていると、
「どこが面白いの?」と尋ねられたりするんですけれど…、
どこだろう…。

登場人物のキャラクター設定がすばらしいとか(わりとみなさん一癖ありつつ、確かにこういう人いるよね的な作り方)、
物語としては、紫式部と藤原道長の関係が中心です。
ざっくり言うと、紫式部と藤原道長がソウルメイトで。友情・共鳴・恋愛含む。
…と言っても身分の差があり紫式部が道長の正妻になることは難しいのです。
下級貴族の紫式部と上級貴族の藤原道長。

その二人の関係を縦軸として、

政権を取る、家を守り格を上げていくための画策というのも絡んでいたり、
身分の問題も出てきます。
紫式部と藤原道長、
豊かな生活をする貴族と、疫病が流行っても放置され死ぬしかない平民。
さらには男性に低いものとして扱われがちな女性とかも。
(それでもこの物語に出てくる女性たちはしたたかで強い)

でもなんといってもすばらしかったのは、
もうドラマ上では亡くなってしまったのだけど、
藤原兼家役の段田安則さん。
おだやかな笑顔で冷酷な役でして…、
初回に陰陽師安倍晴明役のユースケ・サンタマリアに「天皇にお子ができぬように呪詛せよ」とか指示しているのを観た時は「え?今なんて言った?」とびっくりしました。
でもこれが最高に似合うんですよ…。
これまでの中では「帝を玉座より引きずりおろし奉る」とかもありました。
「帝を」「引きずりおろし」「奉る」…どういうことよ、「引きずりおろす」+謙譲?尊敬…?おい。
あとは、「自分は愛されてない」をこじらせて暴力に走りがちだった藤原道兼役の玉置玲央さん。
(ドラマ内では現在更生中)
「まひろのこと好きなの?どうなの?」「でも道長のことも好きなんでしょ(だから二人を構っちゃう)」と尋ねたくなる毎熊直哉さんも、困ったちゃんな本郷奏多さまもよかったなー。また出て懇願。

観ながらところどころシェイクスピアみたいだなと思うこともあります。

藤原道長役の柄本佑さんは脚本家の大石静さんから「この役はゴッドファーザーのマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)みたいに」とお話されたそうです。
権力を持つしかなかった者の孤独や悲しみでしょうか。

ドラマ内の道長はそもそも権力を持ちたいわけではありません。バランスを大切にする平和主義者。
だけれど紫式部とともにいくつかの経験をし、権力に固執し平民を蔑ろにする人々を見ていく中で、世の中を変えていくためには自分が権力を持つ必要がある。そのためには政治のための結婚を選ばざるをえない…ということも。

紫式部と藤原道長は作品内ではソウルメイトでありつつも結ばれることはできない。そこはベースです。
だとしても、ドラマの中ではそれぞれが小さな挫折を繰り返しながらそれぞれの道へと少しずつ向かい始めていく…というところを現在はやっています。
紫式部は物語を書くこと、藤原道長は政ですね。

大石静先生は「平安時代の驚くような〝セックスアンドバイオレンス〟を描きたいと思います」と仰っているそうです。
https://www.sanspo.com/article/20240101-LVHIEFF3VNO7XN2YHTG6OPEYLI/2/

あっでも派手な濡れ場は出てこないよ。
と、今現在は「セックスアンドバイオレンス」部分はマイルドです。

ちょっと…「光る君へ」のこと考えるとアドレナリンが出すぎるのでここでストップします…。

4/30の今日は今日で、NHKでは深夜に「いいね!光源氏くん」の再放送が…。
https://www.nhk.jp/p/hikarugenjikun/ts/L2XV225GVX/
これも関連番組ですよね。
こちらには、現在の朝ドラ「虎に翼」主演の伊藤沙莉ちゃんも出ているみたいです。
ほんっとNHK、これでもか!と手厚く視聴者への押しが強い。
ええ、恩恵を受けてますね…。

段田安則さんと玉置玲央さん、毎熊直哉さん、本郷奏多さんのことしか書いてないけど、出演されてる方みんなすばらしいぞー。柄本佑さんの烏帽子姿の美しいこと。

買ったまままだ手を着けられてない関連本たちよ…。